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獣の奏者 恐獣編
上橋 菜穂子
講談社
(2009-08-12)
コメント:「エリンとリランの物語り」としては完結編

この小説はエリンとリランとの物語りだ。
上橋菜穂子さんの小説はファンタジーだけど物語りの中の世界には
しっかりとした歴史や決まりがあって、実際にある世界のような気さえする。
その上、登場人物が魅力的な人が多くて、心理描写とかセリフも自然で深い。
「守り人シリーズ」で感動した上橋さんのすごさは「獣の奏者」でもやっぱりすごかった。
この話の舞台になっている国は神秘的で「神話」っていう国の成り立ちがあって
いろいろな立場の人が、それぞれの立場からいろんな思惑を抱えている。
これだけ綿密に作られた舞台で動いている「政治」はこの話のわき役にすぎない。
ラストも「政治」的には国の抱えてきた問題が浮き彫りになって
やっと1歩を踏み出し、この国が変わっていくのか?という盛り上がりで終わる。
でも「エリンとリランの物語り」として見れば綺麗に決着がついたラストだった。
エリンとリランの関係はこれ以上にもこれ以下にもならないと思う。

エリンが10才の時点から物語りは始まる。
この物語りが終わるにはエリンは20才くらいになっている。
最後まで読み終えるとジョウンとエリンの日々がかなり遠い事のように思える。
言い方を変えると少し「早送り」な感じもした。
この点もこの話のメインは「エリンとリラン」だと考えれば納得いくのかもしれない。
エリンの過去や育ち方という歴史を見せることで
エリンの聡明さや好奇心、優しさを表し印象づけるために
子供の時代のエリンから物語りが始まってるのかもしれない。
きっとこの物語りからすればただの序章にすぎなかったのかもしれない。
ジョウンの存在感は後半はほとんどない。
ジョウンの死すらもあっさりだなって感じを受けた。
それをきっかけに何かが動き出すわけでもなく、エリンに変化があるわけでもなく、、、
エリンとジョウンの関係性も生活感もすごく好きだった私は少しもったいない感があった。


かなり辛口な言い方になってしまったけどやっぱり「獣の奏者」はおもしろい!
私は「守り人シリーズ」で上橋菜穂子さんにハマっているからどうしても比べてしまう。
「守り人シリーズ」は全10冊。
それだけ冊数を重ねれば物語りの厚みや説得力も増してくる。
それと比べてしまったら、「獣の奏者」が早送りに感じるのも当然かもしれない。
それに「守り人シリーズ」は主人公の1人が皇太子だった。
当然「政治的決着」も必要になってくる。
でも「獣の奏者」は何回も言うように「エリンとリランの物語り」。
「エリンとリランの物語り」的には決着はもうここで綺麗についている。
でもまだ「獣の奏者」は終わらない。
この「恐獣編」まで完結させた後、書き進める事を決めたらしい
「恵亀翳圈廚函岫鹸扱詈圈廚ある。
残念ながらまだ文庫本は出てないんだけどまだこの世界の話があるのが嬉しい。
これだけ魅力的で芯の通った世界のこれからを見たい人は私だけじゃなかったんだな
靴鉢犬眄簑估匹澆燭ぁ
私はにエリンにもリランにもあの世界にもすでに愛着を持ってしまっている。

この話には早い段階から「操者」というは言葉がでてきている。
しかしエリンは竪琴を使ってリランを「操る」のではなく「奏でて心を通わせた」。
「恐獣編」の始め、気になっていた
「獣の奏者」というタイトルの意味がつながってゾワっとした。
こういう面白い物語りを母国語で読めるのは幸せなって思う。


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